ブログで学ぶ〜日商簿記2級チャレンジ

ブログで学ぶ〜日商簿記2級チャレンジ #17 引当金

日商簿記2級では3級で学習した貸倒引当金に加え、商品保証引当金や修繕引当金、退職給付引当金などが追加される。
ここでは、まず評価性引当金と負債性引当金について両者の違いを確認しておこう。

 

評価性引当金と負債性引当金とは?

貸倒引当金は特定の資産(売上債権)のマイナスを意味する勘定で、これを評価性引当金という。
貸借対照表上で売掛金や受取手形から控除する形式で表示するためこう呼ぶ。

これに対し、商品保証引当金や修繕引当金、退職給付引当金などのように将来の支出に備えるための引当金を負債性引当金といい、貸借対照表の負債の部に計上する。

このように評価性引当金である「貸倒引当金」と負債性引当金である「商品保証引当金や修繕引当金、退職給付引当金など」は、同じ引当金であっても貸借対照表上の表示区分が異なるので十分に注意して欲しい。
なお、仕訳パターンや引当金額の計算方法は貸倒引当金と同じなので、表示区分の違いさえ把握しておけば問題はない。

 

基本仕訳パターン

以下に各負債性引当金の詳細と仕訳パターンを確認しておく。

商品保証引当金(または製品保証引当金)

商品や製品を販売する際に、販売後の故障や不具合に対して一定期間無料で修理または交換に応じることを条件としている場合、将来発生するであろう修理または交換に係る費用を見積もり計上する。

[例]
(1)当期に商品保証を付して販売した商品の売上高¥10,000,000に対して、決算にあたって3%の商品保証引当金を設定する。

(借方)商品保証引当金繰入 300,000 /(貸方)商品保証引当金 300,000

(2)前期に販売した上記商品について、顧客より修理の申し出があったため、修理代行業者に依頼して修理を実施した。なお、この修理代金¥80,000は小切手を振り出して支払った。

(借方)商品保証引当金 80,000 /(貸方)当座預金 80,000

 

修繕引当金

建物や機械などの定期修繕のために係る費用を見積もり計上する。

[例]
(1)決算にあたり、所有する機械に係る定期的な修繕のための費用¥500,000を修繕引当金として設定する。

(借方)修繕引当金繰入 500,000 /(貸方)修繕引当金 500,000

(2)機械の定期的な修繕を行い、代金¥530,000を小切手を振り出して支払った。

(借方)修繕引当金 500,000 /(貸方)当座預金 530,000
    修繕費   30,000

※修繕引当金をオーバーした金額は修繕費勘定(費用の勘定)として処理する。

 

退職給付引当金

従業員の退職時に支払う退職金などの退職給付見込額のうち、当期の負担額(退職給付費用)を見積もり計上する。

[例]
(1)当期の退職給付見込額の負担額を¥900,000と見積もり、引当金を設定する。

(借方)退職給付費用 900,000 /(貸方)退職給付引当金 900,000

退職給付引当金繰入勘定でも可、試験の場合は問題の指示に従うこと。

(2)従業員が退職し、退職金¥3,000,000を小切手を振り出して支払った。なお、同人について引き当てられた退職給付引当金は¥2,800,000であった。

(借方)退職給付引当金 2,800,000 /(貸方)当座預金 3,000,000
    退職金     200,000

※退職給付引当金をオーバーした金額は退職金勘定(費用の勘定)として処理する。

 

まとめ

引当金に関しては計算・仕訳について特に難しい箇所はない。
ポイントは貸借対照表上での表示箇所である。
検定試験ではこの点にのみ留意して解答すれば問題ないだろう。

◎評価性引当金(貸倒引当金)は売掛金や受取手形から控除する形式で表示。
◎負債性引当金(修繕引当金など)は負債の部に表示。

ブログで学ぶ〜日商簿記2級チャレンジの過去の投稿記事はこちらで読むことができます。

 

Shinちゃん先生と一緒に簿記を学びませんか?

簿記塾オッジでは、日商簿記検定合格を目指す人のための「マンツーマンで学ぶ・インターネット日商簿記2級講座」を開講しています。

ある簡単なルールを知った途端、
あなたは、
問題集をスラスラと解けるようになり、
退屈で苦痛な暗記学習から解放されます。

「最後まで、挫折せずに学ぶには?」

その答えがここにあります。

◎個人指導でじっくりと学びたい人。
◎マンツーマンで合格まで徹底的に指導してもらいたい人。

「まるわかり!日商簿記2級講座」を今すぐ確認する