第142回日商簿記検定の受験、お疲れ様でした。

2/28(日)の第142回簿記検定を受験されたみなさん、お疲れ様でした。
本試験では持てる力を存分に発揮できましたか?

今回の試験も前回同様に興味深い問題が出題されていましたが、いずれも基礎的な知識や会計処理の流れを理解していれば解答することができるものばかりでした。
しかし、単なる暗記や解き方のパターン学習に終始した受験生にとっては難しい内容だったかもしれません。

簿記検定は公認会計士や税理士といった国家資格ほど難易度が高くないためか、比較的取得しやすい資格として紹介されることが多いようです。ですが、だからと言って『ちょっと勉強すれば誰でも合格できる簡単な試験』という訳ではありません
合格するためにはそれなりの準備期間や知識の積み重ねが必要です。

今回や前回の第141回で思うように得点できなかった人は、もっと真剣に勉強すべきでしょう。
簿記は暗記……そう言われていた時代は終わりました。これに伴い今まで当たり前とされていた暗記学習・パターン学習を中心とした学習メソッドも終わりを迎えたのです。
そんな時代の流れの中で、従来通りの語呂合わせに頼った丸暗記や解法手順をパターンで憶えるような学習を続けていたのでは、きっとこれから先も合格を手にすることは難しいでしょう。

では、どのような学習を行えばよいのか?

答えは簡単です。
安易に暗記に頼るのではなく、不明な箇所は解るまで徹底的に追求する姿勢で学習に臨めば良いのです。
例えば原価差異分析で用いるシュラッター図というのがありますが、『なぜ、このようなグラフの描き方になるのか?』を考えたことはありますか?また、CVP分析で使用する各種の公式も同様です。

解法手順や公式を憶えることと、意味が解ることとは別です。

今後の簿記検定では受験生の『理解力』を試される出題が今まで以上に増えることでしょう。
また、次回6月の簿記検定からは出題範囲も改定され、新たな項目が学習範囲に追加されます。

目先の処理方法ばかりに気を取られることなく、しっかりと意味を考える学習で実力と柔軟な思考能力を養ってもらいたいと思います。