簿記・虎の穴 #08 ついでに「荷為替の取り組み」の話しをしておこう

 

前回は為替手形の話しを書いてみたんだけど、その後に「あぁ、そういえば荷為替の処理が苦手な人も多いよなぁー。」…なんてことを思い出したんだ。
そこで今回は、この「荷為替の取り組み」について話しをしてみようと思う。

また、この話しは日商簿記2級を勉強している人向けだから、3級を勉強中の人は読み飛ばしてもらって構わないよ。

さて、荷為替手形ってどんな手形なんだろう?

何かスペシャルな手形なのかな?
いやいや、実はそんな特別な手形ではないんだ。

荷為替手形とは、その名前の通り「貨物代表証券(荷札)が添付された為替手形」のこと。
つまり、荷札付きの為替手形だから、荷付為替手形=荷為替手形って呼んでるだけなんだ。

で、この荷為替手形を銀行で割り引く(銀行に買い取ってもらう)ことを「荷為替の取り組み」っていうんだ。

なんのために荷為替を取り組むのかって?

理由は一つ、代金の早期回収のため
なぜなら「支払いは遅く、回収は早く」ってのが商売の基本だからね。

例えば、遠方のA社に販売のため商品を発送したとしよう。
でもって、当社はできるだけ早く代金を回収したいと考えている。

そこでA社宛の「自己受為替手形」を振り出し、発送した商品の貨物代表証券を担保として、この為替手形を銀行で割り引くんだ。

もちろん割引料は差し引かれるが、こうすれば商品の発送と同時に代金を回収することができるというワケなんだね。

ちなみに自己受為替手形ってのは、振出人である自分自身を指図人(受取人)に指定する為替手形のことだ。
だから仕訳としては、

(借方)受取手形 xxx /(貸方)売 上 xxx

っていうように、受取手形勘定の増加として処理することになる。

したがって荷為替の取り組みを仕訳する際は、次の(1)→(2)→(3)の順番で取引の流れを考えればいいんだ。

(1)商品の売上代金を「自己受為替手形」で回収する。

(2)この為替手形を銀行で割り引く。

(3)上記二つの仕訳を一つにまとめる。

ただし、この手形を買い取る銀行側もノーリスクではないので、売上金額の100%を荷為替に取り組むことはまずしない。
そこで荷為替の金額は売上金額の70%から80%とするのが普通なんだ。
ちなみに100%を取り組む「丸為替」っていうのもあるんだけど、2級までだったら知らなくてもいいかな。

また、日商簿記検定では商品売買は「掛け取引」がデフォなので、残額は売掛金として処理するようにね。

それじゃ、実際に次の設問で仕訳の練習だ。

【設問】注文を受けた商品100,000円を発送し、同時に70%の荷為替を取り組んだ。なお、割引料3,000円を差し引かれ残額は当座預金とした。

(1)売上代金の70%を自己受為替手形、残りを売掛金で回収すると考える。

(借方)受取手形 70,000 /(貸方)売 上 100,000
     売掛金   30,000

(2)続けて70,000円の為替手形を銀行で割り引く。

(借方)当座預金  67,000 /(貸方)受取手形 70,000
     手形売却損  3,000

(3)上記(1)、(2)の仕訳を一つにまとめる。その際、受取手形勘定が相殺される。

(借方)売掛金    30,000 /(貸方)売 上 100,000
     当座預金  67,000
     手形売却損  3,000

どうかな?
このように取引の順を追って仕訳をおこなえば、荷為替の取り組みはちっとも難しくなんかない。

実は荷為替を苦手にしている人のほとんどは取引の流れなんて考えもせずに、いきなり(3)の仕訳をしようとしているんだね。

そりゃぁ、取引の流れを理解せずに仕訳なんかできるはずないよね。

荷為替の取り組みが苦手な人は、慣れるまで上記(1)→(2)→(3)の順番で取引の流れを意識してじっくり練習をしてみて。
そうすれば荷為替の取り組みは、きっと得意問題になっているはずだよ。

あとはこれをベースに委託販売などの特殊商品売買と組み合わせて応用させればいいんだ。
特に荷為替の取り組みは委託販売と組み合わせるケースが多いので注意が必要だぞ!

この手の設問の場合、一言だけ言っておくと、

「委託販売では商品を積送した時点では売上にはならないので、受託者から販売前に受け取る「前受金」として処理しなければならない」

…って点がポイントになるよ。
この話にピーンときた人は「相当わかっている人」かな(^^)

このあたりの詳細については別途“虎の穴”で取り上げて、改めて話しをすることにしよう。

まずは「荷為替の取り組み」の基本を身に付けるのが今回のテーマだからね!

それじゃ、また次回。

Tot ziens !

 

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