【コラム】第133回日商簿記検定 試験問題の意図・講評

 

先日、2月に施行された「第133回簿記検定試験問題の出題の意図・講評」が商工会議所の検定試験サイト(http://www.kentei.ne.jp/)にアップされたね。

受験者データと併せて一通り目を通してみたんだけど、なるほど、難易度も比較的低く余裕で合格できた方も多かったみたい。

でも「合格できたからオッケ~♪」で終わらせてないかな?

講評にもあるんだけど、特に3級の第2問で出題された「商品売買」の問題については今回合格した人も含めて改めてじっくりと考えて欲しいところ。

また、6月の検定受験を予定している人は、分記法と三分法のメカニズムの違いを正しく理解することは当然として、

値引きや戻し(戻り)の処理、(2級を学習している人は割戻しや割引について)もう一度見直しをしておく必要がありそうだね。

特に値引き・戻し(戻り)は仕入帳や売上帳、商品有高帳とセットで考えるのが基本だよ。

例えば、

 

仕入値引きは商品有高帳に記入するのに、
なぜ売上値引きは商品有高帳に記載しないんだろう?

…などと考えながら問題を解いてるかな。

地味だけど、こんなことを丁寧に考えることが大切なんだ。

分記法と三分法については近々「簿記・虎の穴」で取り上げる予定だけど、とにかくコレを苦手にしている人の多いこと!

うん、みんな買った売ったの仕訳は普通にできるんだけど、決算処理になったとたんにお手上げ状態になっちゃう人が多いんだよね。

何故かって?

それは決算仕訳を丸暗記で憶えちゃってるもんだから、

「売上原価は売上原価の行で計算すること」

なんて書いてあるとチンプンカンプンになっちゃうみたい。

まぁ、3級はそれでも(丸暗記でも)どうにかイケるんだけど、2級の特殊商品売買になると一気にそのツケが回ってくる

特に第126回日商簿記検定試験2級の第2問で出題された特殊商品売買の問題なんか、ほとんどの人が沈黙しちゃったもんね。

要は仕訳のメカニズムが理解できてないから、残高試算表の数字の意味が解らなかったというところかな。

簿記は暗記だっていう人がいるけど、

半分は本当で、半分はウソ。

そりゃぁ確かに暗記しなきゃいけない所もあるけど、そればっかりじゃぁない。

だって暗記だけじゃ応用は利かないもんね。

それに、商工会議所もそこのところを解ってて(丸暗記組みを排除する)そういった問題を作ってるんだと思うよ。

だから逆の言い方をすれば、基本をしっかり理解して丁寧に練習をすれば、ちゃんと解けるような問題になってるんだ…って。

「試験問題の意図・講評」っていうのは

“あの問題はああでした、こうでした”

っていう解説だけでなく、

こういう点に注意したり、こんなふうに勉強してね

っていう、商工会議所から受験生へのメッセージも含まれているんだと思う。

そのことを念頭に置いて学習に取り組んで欲しいね(・ωー)~☆