簿記・虎の穴 #01 これがスラスラ説明できたら一人前 ~ 簿記一巡の流れ
簿記を学ぶ際に本気でマスターして欲しいのが「簿記一巡の流れ」。
はっきり言って、これが意識できているかどうかで勉強の理解度が天と地ほど違うのですよ。
ここでは簿記一巡の流れが何かなんて改めて説明はしませんけど、
それって何だ?という方は「簿記一巡の流れ」でググっといてください。
とはいっても、基本的には簿記3級の学習が終わっていれば、
知ってて当たり前、説明できて当たり前。
えーっと、何だっけ?という方は3級から勉強のやり直しです(#^ω^)
世の中、何事も「手順」ってのがあります。
あなたが仕事やバイトを始める時、まず最初に覚えなければならないのが「仕事の手順」ですよね。
これが解っていなければ「次に何をすべきなのか」が解らず仕事になりませんし、
それこそ「次は何をやればいいんスか~?」なんていう、
いわゆる“使えない人”になってしまうことでしょう。
まぁ、当たり前なんですが、どんな「こと」や「もの」にも、この「手順」ってのがあるわけです。
でもって、この手順をしっかりと覚えると色んなことが理解しやすくなるワケですね。
例えば
「なぜ現金の増加は借方記入で、現金の減少は貸し方記入なのか?」
これをお友達に簡単に説明できますか?
「現金とは資産なので、資産の増加は借方記入、減少は貸方記入というルールになっているから。」
こう答えた方…合ってはいますが不十分です。
だってお友達は次にこう質問してきますよ。
「じゃぁ、なぜ資産の増加は借方に書くの?」
さて、どう答えましょうか?
まぁ、これはちょっと意地悪でしたかね(笑)
何が言いたいのかというと、こういうことです。
物事には 1 → 2 → 3 といった具合に流れがあります。
これをルールだからとって単に暗記してたんじゃぁ面白くもなんとも無い。
そこで、1 ← 2 ← 3 って考えてみましょうか。
つまり、「3」にするには
その1つ前が「2」の状態になっていなければならない。
その「2」の状態にするには
その1つ前が「1」の状態になっていなければならない。
ちょっと逆説的な思考方法ですね。
でもこの考え方が簿記には大切なんじゃぁないのかと思うのですよ。
例えば、日々発生する取引をルールに従って記録すれば“自然に”貸借対照表や損益計算書ってできあがるのか?
答えはNo!
最終的に貸借対照表や損益計算書が“できあがるように”日々の記録がルール化されている…と、考えてみて欲しいのです。
上記は同じことを言っているのですが、思考方法が違うのです。
最初のは「1 → 2 → 3」の考え方。
後のは「1 ← 2 ← 3」の考え方。
どうです?
先の質問を「1 ← 2 ← 3」の考え方で説明すると、
(1)現金は最終的に貸借対照表の借方側に表示される科目である。
(2)よって日々の記録は現金勘定の最終的な残高が“借方”側に残るように記録しなければならないハズ。
(3)ということは、現金が増えたら現金勘定の借方に記録して、現金が減ったら貸方側に記録すればよい。
どうです、これなら単に「ルールだから」の一言で丸暗記するより理解しやすいと思うのですが。
あなたはどう思いますか?
要は、流れを知るとういことは「物事の本質を知ること」につながるという話です。
ですから、簿記のことをきちんと理解したければ、まずは「簿記一巡の流れ」を知ることなのですね。
とはいうものの、ぶっちゃけ右も左もわからない簿記を初めて学ぶ人に「さぁ、これは大切ですから簿記一巡の流れを憶えましょう!!」なんて言ったところで、そう簡単に憶えられるものではありません。
はっきりいって無理です。
これは時間を掛けてじっくりと何度も繰り返して練習しないと身に付くものではありません。
例えば、私の授業を受けたことがある人なら、しつこい位に毎回この「一巡の流れ」の絵を書きながら説明していたのを思い出してもらえるのではないでしょうか(笑)
「またかよ…」
実際はそのくらい繰り返さないと諳んじれるくらいには憶えられないんですね。
でも、これを読んでいるあなたには是非これをやって欲しいのです。
なんなら、簿記一巡の流れを書いた自筆の画を机の前に貼り付けておいて欲しいくらいです。
あっ、ポイントは必ず「自筆」で書くことね。
こんなのは手を動かしてナンボです。
自分で書けば自然と調べることになるし、数多く手を動かせば頭でなくて“手”が憶えてくれます。
そのレベルまで達すればもう何も言うことはありません。
今から簿記の勉強を始める人は少しずつで構いませんので、流れを意識しながら「なぜ、こうしなければならないのか?」を考えながら勉強を進めてください。
現在、2級の勉強を進めている人で、
「こんなの意識したこともないわー。」
って人は今すぐ一巡の流れの画を描いて机の前に貼り付けてください。
特に2級の工業簿記で躓いている人は「工業簿記の集計の流れ(勘定連絡図って言います)」を自分で書き出してくださいな。
そして、解答の仕訳と勘定連絡図を小一時間ほど見比べましょう。
一度きっかけが見つかれば、ジグソーパズルみたいなもので次から次へと答えがわかるようになります。
もちろん、その「きっかけ」を見つけるのはあなた自身なのですが、
きっかけを見つけた時の驚きと、今までの何か詰まっていたものが一気に流れていく爽快感は実に感動的なものです。
そして何より自信に繋がります。
あとは、それが早いか遅いか。
「流れ」を意識した勉強をすすめていくと「その時」は意外と早く訪れるかもしれません。
着眼大局なのであります。
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