ブログで学ぶ~日商簿記2級チャレンジ #05 未決算勘定

2級チャレンジ

 

 

 

未決算勘定とは

未決算勘定とは、金額や勘定科目が確定しない場合に使用する仮勘定で、現金収支を伴わない場合に用いる。

「未決算勘定」と「仮受金勘定・仮払金勘定」の使い分け方

勘定科目の金額や科目名が未確定の点は、同じ仮勘定である「仮受金勘定・仮払金勘定」と同じだが、両者は現金の収支を伴うか否かで使い分ける。

・未決算勘定→現金収支を伴わない
・仮受金勘定・仮払金勘定→現金収支を伴う

具体的な仕訳例

[パターン1-1]
期首に建物(取得原価¥2,000,000、減価償却累計額¥500,000)が火災により消失した。なお、この建物には火災保険¥2,000,000が掛けられている。

(解答・解説)

(借方)減価償却累計額  500,000 /(貸方)建物 2,000,000
(借方)未決算       1,500,000

建物が火災により消失したため、建物勘定と減価償却累計額勘定をそれぞれ相殺する。
差額の¥1,500,000は本来であれば火災損失なのだが、火災保険が掛けてあるため、査定が終わり保険金額が確定するまでは一時的に未決算勘定(または火災未決算でも可)で処理しておく。

[パターン1-2]
上記の設問で、保険金の支払いが満額の¥2,000,000で支払われる旨の連絡があった場合の仕訳を示せ。

(解答・解説)

(借方)未収金 2,000,000 /(貸方)未決算  1,500,000
____________(貸方)保険差益  500,000

保険金の支払いが確定したため、未決算勘定¥1,500,000と相殺する。
なお、支払いが確定しただけであり、実際に金銭の授受があった訳ではないので、借方側は未収金勘定を用いること。
未決算勘定と未収金勘定の差額は保険差益勘定(収益)を用いる。

[パターン2-1]
期首に建物(取得原価¥2,000,000、減価償却累計額¥500,000)が火災により消失した。なお、この建物には火災保険¥1,000,000が掛けられている。

(解答・解説)

(借方)減価償却累計額  500,000 /(貸方)建物 2,000,000
(借方)未決算       1,000,000
(借方)火災損失       500,000

火災保険が¥1,000,000なので、たとえ保険金が満額支払われたとしても、この時点で既に¥500,000の火災損失が確定する。

[パターン2-2]
上記の設問で、保険金¥800,000が支払われる旨の連絡があった場合の仕訳を示せ。

(解答・解説)

(借方)未収金  800,000 /(貸方)未決算 1,000,000
(借方)火災損失 200,000

保険金額が確定したため、未決算勘定¥1,000,000と相殺する。
なお、保険金額¥800,000と未決算勘定¥1,000,000との差額は火災損失として処理する。
結果、火災損失勘定の残高は¥500,000+¥200,000=¥700,000となる。

まとめ

未決算勘定そのものは難しい内容ではないが、[パターン2-1]のようなケースには注意しておこう。

解説にもあるように、もしも保険金が満額支払われるとしても、この時点で火災損失¥500,000円が確定するため、火災損失勘定を用いて正しく処理しなければならない。

また、模擬演習等で「未決算勘定」と「仮受金勘定・仮払金勘定」の使い分けを間違えている人を多々見かる。

現金収支を伴うのか、伴わないのか。

両者の違いを再度確認しておこう。

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