解ける人と解けない人の差は何だろう?
試験では「難しかった」とか「問題なく解けた」という声がよく聞かれます。
当然、解けなかった人もいれば、一方で解けた人もいるわけですから、これは当然のことですね。
では、両者の違いは何が原因なのでしょう?
教材が違って成績に差が出たのでしょうか。
いいえ、そうではありません。解けなかった人も解けた人も、同じ市販の教材や資格スクールの教材を使っています。
では、学習環境の違いでしょうか。
独学で成功した人もいれば、スクールに通ってもダメだった人もいます。これも違うようです。
だったら、練習量の違いでしょうか。
解けなかった人も、過去問題集や予想問題集でしっかり練習して試験に挑んでいます。なので、単に練習不足というわけでもなさそうです。
こう見てくると、教材や学習環境の違いだけで試験の成否が決まるとは考えにくいですね。では、何が違いを生んだのでしょうか?
両者を分けた違いとは
その違いは勉強法にあります。
昔から「習うより慣れろ」と言われるように、簿記学習では繰り返しによるパターン学習が一般的です。これは間違っているわけではなく、簿記学習には必要な方法です。
しかし、パターン学習では同じ問題を何度も練習するため、多くの受験生が疑問を持たずに仕訳や解き方をただ暗記してしまいます。
このパターンではこの仕訳。
このパターンではこの計算式。
このパターンではこの解き方。
何も考えずに、ただ暗記するんです。
簿記学習者に馴染みのある「し・くり・くり・し」などの語呂合わせも、意味を考えずに覚える人が多いですね。
以前は試験の問題もパターン化されており、問題集を繰り返し練習さえすれば合格できた時代もありました。しかし、今は出題傾向が変わり、単純な暗記では対応できない内容になっています。
最近では「売上原価は売上原価の行で計算しなさい」という指示が普通になりましたが、昔は珍しく、この指示がでると「し・くり・くり・し」しか知らない人たちは混乱したものです。しかし、その一方で売上原価算定の仕訳の意味を理解していた人は問題なく解答できていたのです。
解けない人と解ける人の違いは、単純な暗記で満足している人と、仕訳や会計処理の意味を考えながら勉強している人の違いです。
同じ教材を使っても、解き方だけを覚えた人と「なぜこの仕訳になるのか」を考えながら解いた人では大きな差が出ます。試験ではこの差が両者を分けるのです。
解けるようになるための勉強法
具体的な勉強法は色々ありますが、まずは簿記の全体の流れを完璧にマスターすることが基本です。特に仕訳と転記記入は基礎なので、これができなければ話になりません。
重要なのは「疑問を持つこと」です。
試験勉強は受け身になりがちですが、簿記検定に合格したいなら、受け身ではなく積極的に質問し、知ろうとする姿勢が大切です。
勉強の姿勢が変われば、同じ教材でも勉強の質が変わり、実力がつきます。
もちろん、具体的なアドバイスも必要でしょうから、以前に書いたブログ記事を紹介します。この記事が簿記学習に役立てば幸いです。
暗記だけに頼る勉強はもう終わりにして、考える力を生かして学び、合格を手に入れましょう!