簿記・虎の穴 #20 売買目的有価証券~単価の付替計算を忘れずに!

 

有価証券の売買に関する設問でミスが目立つのが「単価の付替計算」。
計算そのものは簡単なんだけど、うっかりミスをする人が多いところでもあるんだ。

例えば、売買目的でA株式会社の株式100株を@¥700で買い入れ、買入手数料¥5,000とともに小切手を振り出して支払ったとしよう。
数日後、上記の株式のうち50株を@¥800で売却し、代金は現金で受け取った場合の仕訳はどうなるかな?

そうだね、次のようになるはずだ。

(借方)現金預金 40,000 /(貸方)売買目的有価証券 37,500
                 (貸方)有価証券売却益   2,500

この場合、売却される有価証券は@¥700×50株=35,000ではなく、@¥750×50株=37,500になっているところがミソだよ。

つまり、株式の取得原価は(100株×@¥700)+5,000=75,000となるので、1株あたりの単価は75,000÷100株=@¥750になっているんだね。

購入時は@¥700だった株式も、買入手数料が加わったことで@¥750に変わっているんだ。
これを「単価の付替」と呼んでいる。

では次に、決算を迎えたため残りの株式50株を@¥720に評価替えすることにしよう。
この場合の仕訳はどうなるかな?

そう、次の仕訳になるよね。

(借方)有価証券評価損 1,500 /(貸方)売買目的有価証券 1,500

@¥750の株式を@¥720に評価替えするワケだから、(@¥720-@¥750)×50株=▲1,500の評価損となるんだよね。

このように有価証券の帳簿価額は(1)購入時と(2)決算時の評価替えによって、例題のように@¥700→@¥750→@¥720と単価が変化する。

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したがって有価証券を売却する際や評価替え時には、現在の帳簿価額がいくらなのか(単価がいくらなのか)を常に把握しておくことが大切なんだ。

計算そのものはちっとも難しくないんだから、ここで得点をロスするのは勿体無い。
簡単な問題ほどケアレスミスしやすいから気をつけようね。

それじゃ、また次回。

Ci vediamo !

 

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