公式メルマガ2/26号・配信!

今週の「公式メルマガ」発行しました! 今週号の内容は…

1.目指せ2級合格!簿記初学者のためのワンポイント講座

今回は連結会計における、期首商品棚卸高や期末商品棚卸高に含まれる未実現利益の控除仕訳の憶え方(考え方)を解説。

2.編集後記

 

今週号のハイライト

連結会社間で商品などの棚卸資産を売買している場合、当然ながら売買された商品や資産は仕入原価に利益を上乗せした売価で販売されている。

しかし企業グループの観点からみると、企業グループ内の取引は単なる商品等の移動に過ぎないため、連結決算日において連結会社間で売買された取引は相殺消去されることになる。
そしてここからが今回のポイントなのだが、連結会社間で取引された商品等の棚卸資産のうち連結決算日において残高が残っているものについては、そこに含まれる未実現利益を控除する処理が必要となるのだ。

未実現利益とは

未実現利益とは期末棚卸資産に含まれる企業グループ内で上乗せされた利益のことである。
具体的な例として、P社(親会社)が@100円で仕入れた商品10個をS社(子会社)に@110円で販売した場合を考えてみよう。

P社が計上したS社に対する売上高1,100 円(@110円×10個)と、この取引でS社が計上した仕入1,100円(@110円×10個)は内部取引となるため、これを次の仕訳で相殺消去する。

(借方)売上高  1,100
(貸方)売上原価 1,100

ここまでは前回学習した内容なので大丈夫だろう。
さて、S社において上記商品のうち1個が期末に残っていたとしよう。するとS社では期末商品棚卸高を110円として計上していることになる。

[取引の流れ]

P社が@100円×10個の商品を仕入

P社は上記の商品10個を、1個あたり@10円の利益を上乗せして@110円でS社へ販売

S社はP社より@110円×10個の商品を仕入

S社は上記商品のうち9個を外部へ販売

したがってS社の期末商品棚卸高は@110円×1個

しかしP社とS社を一つの企業グループとして考えた場合、連結上は外部企業から仕入れた@100円の商品が期末商品棚卸高として残っていなければならないはずなのだ。

[企業グループとしての取引の流れ]

@100円×10個の商品を仕入

仕入れた商品のうち9個を外部へ販売

したがって期末商品棚卸高は@100円×1個

つまり連結前の個別財務諸表上ではP社の期末商品棚卸高はゼロ円、S社の期末商品棚卸高は@110円×1個なので、P社とS社の期末商品棚卸高を単純合算すると@110×1個となる。
しかしP社とS社を一つの企業グループとして考えた場合は、企業グループの期末商品棚卸高は@100円×1 個にならなければならない

P社がこの商品をS社に販売する際に上乗せした@10円の利益は企業グループ全体の視点でみると企業内の内部利益である。そして連結決算時における期末商品などの棚卸資産に含まれるこの内部利益のことを未実現利益と呼ぶのだ。

ちなみに今回の例題のように親会社から子会社に対して商品その他の資産を販売するケースのことをダウンストリームという。

さて、未実現利益の消去方法だが、検定試験における未実現利益の消去には次の二つのパターンがある。

◎期首商品棚卸高や期末商品棚卸高に含まれる未実現利益の消去
◎非償却固定資産(土地)に含まれる未実現利益の消去

それぞれのパターンについて、具体的な例題を用いてその消去方法を確認してみよう……続きはメルマガで

 

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