公式メルマガ3/24号・配信!

毎週金曜日は「公式メルマガ」発行日! 今週号の内容は…

1.合格ラボ!

第145回日商簿記検定の“出題の意図”が日商検定公式ウェブサイトで公表されました。
再受験の人も新規受験の人も、一度は必ず目を通しておくべし!

2.真・簿記トラの穴

2級新出題範囲の為替予約が10分でマスターできる!?
コツを掴めば簡単だよ(^_-)-☆

3.理解度チェック&再受験のためのフォローアップ講座開講!

不得意項目の詳細な解説や具体的な解法などを、基礎から応用までの多角的な視点で学習するフォローアップ講座の受講生を募集します。
もちろん、検定受験に必須である『合格解答を作成するためのポイント』もあります!

4.編集後記

今週号のハイライト

前回学習した外貨換算だが、外貨と言えば忘れてはならないのが為替予約である。
もちろん、平成29年度の2級出題範囲にも含まれている論点なのでしっかりとマスターしておきたい。

 

為替予約って何だろう?

為替予約とは外貨建金銭債権債務について、あらかじめ支払う為替相場を定めておく契約のことである。

例えばアメリカのA社から掛けで100ドル分の商品を仕入れたとする(取引時の為替相場は1ドル95円)。
この時の仕訳は次の通りだ。

(借方)仕入 9,500 /(貸方)買掛金 9,500

その後、買掛金の決済時の為替相場が1ドル100円だったらどうなるだろうか。
そう。仕訳は次のようになり、為替差損益が500円生じることになる。ここまでは前回の復習だ。

(借方)買掛金   9,500 /(貸方)現金預金 10,000
(借方)為替差損益  500

しかし、為替相場の変動により債権債務の受払額が変わることは最初から解っていることなので、500円の為替差損が生じるのを指をくわえて黙って眺めているだけでは面白くない。
そこで、この受払額の変動リスクを回避する手段として、決済する銀行との間であらかじめ支払時の為替相場を定めておくのである。これを為替予約という。

為替予約を行う場合は、その取引を為替予約時の先物為替相場(予約レート)で換算することになる。
これは為替予約を行った時点で受払額の換算が予約レートで固定されてしまうためで、取引時の為替相場で換算する必要が無いからだ。つまり、最初から受払の金額を確定してしまうのである。

例えば上記例題の場合、商品の仕入れと同時に為替予約を行ったとしよう。取引時の為替相場は1ドル95円、先物為替相場(為替予約による決済時の為替レート)は1ドル98円であったとしよう。
すると、取引時の仕訳は次のようになる。

(借方)仕入 9,800 /(貸方)買掛金 9,800

このように為替予約を行うことにより、取引発生の時点で買掛金の支払額が9,800円に固定されてしまうのだ。

その後、決済時には契約通りの予約レートで代金を支払うので、その時の仕訳は次のようになる。

(借方)買掛金 9,800円 /(貸方)仕入 9,800

このように、決済時の受払額の為替相場をあらかじめ定めておく契約のことを為替予約と呼ぶのである。

 

営業取引(売掛金や買掛金)の場合の仕訳例

営業取引の発生時に為替予約を行った場合は取引時の先物為替相場(予約レート)で換算する。

(1)取引発生時
アメリカの得意先B社に対して商品100ドルを掛け販売し、取引と同時に為替予約を行った。取引時の為替相場は1ドル105円、先物為替相場は1ドル100円であった。

(借方)売掛金 10,000 /(貸方)売上 10,000

解説:取引時の為替相場が1ドル105円だったとしても、為替予約により決済額が1ドル100円で固定化されるため換算額は100ドル×100円=10,000円として計算する。

(2)決算時
決算を迎えた。決算日の為替相場は1ドル102円である。

仕訳不要

解説:為替予約を行ったことで既に決済金額が確定してしまっているため、決算時の為替変動による受払金額の変動を認識する必要はない。したがって仕訳は不要。

(3)決済時
B社から代金100ドルを受け取った。決済時の為替相場は1ドル98円である。

(借方)現金預金 10,000 /(貸方)売掛金 10,000

解説:決済時の為替相場が1ドル98円であっても、決済額は契約通り予約レートの1ドル100円で決済される。

ちなみに上記取引で為替予約を行わなかった場合、(1)~(3)の仕訳は次のようになる。為替予約を行った場合と比較して、その処理の違いを確認しておこう。

(1)取引時
(借方)売掛金 10,500 /(貸方)売上 10,500

(2)決算時
(借方)為替差損益 300 /(貸方)売掛金 300

解説:売掛金の簿価が100ドル×105円=10,500円から100ドル×102円=10,200円に減ってしまうため、簿価を切り下げるとともに差額を為替差損益として計上する。

(3)決済時
(借方)現金預金  9,800 /(貸方)売掛金 10,200
(借方)為替差損益  400

解説:売掛金の簿価10,200円と回収額9,800円の換算差額を為替差損益として計上する。

結局のところ、10,500円の売掛金を9,800円でしか回収できなかっため、為替変動による差損益が700円生じてしまったことになる。
このような為替変動によるリスクを回避(ヘッジという)するために用いるのが為替予約なのだ。
今回の為替予約を含め、リスクヘッジのための会計処理のことをヘッジ会計という。詳しくは1級で学ぶことになる(1級学習予定者はお楽しみに!)。

 

要注意!資金取引(借入金や貸付金)の場合の仕訳例

考え方や処理の流れは先の営業取引と同じだが、これが資金取引(借入金や貸付金)になると少々注意が必要だ。
その理由は資金取引が営業取引(売掛金や買掛金)とは異なり、借入時や貸付時に現金のやり取りが行われているという点である。

つまり、借入時や貸付時の現金のやり取りは外貨建会計の原則通り取引時のレートで計上する必要があるため、取引発生時の為替相場(発生時レート)と先物為替相場(予約レート)との換算額で差額が生じてしまうのである。
具体的な例で確認してみよう……続きはメルマガで

今すぐメルマガ(無料)に登録しよう!

オッジ通信では簿記検定や簿記・会計に関する記事を盛り沢山で毎週金曜日に配信しています。もちろん、購読は無料。いつでも解除することができます。 ・簿記学習のヒントが欲しい! ・会計の知識を深めたい!

公式メルマガはこちらから30秒で登録できます、今すぐご登録ください。